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2次創作 「宇野 2」

宇野、シリーズ化の予感。1話完結型です。
イメージだけの、自分でも?な話です。最近変なのばかりで、すみません。
でも薪さんには、人肌も必要なんです。




「宇野、ちょっと...」

ここ数日続いた緊急捜査で、第九はシフト制をとり24時間稼働し続けていた。
ただ指揮をとる薪の代りは誰もできず、薪はわずかな仮眠のみでずっと第九に詰めていた。
今日やっと犯人を特定し、物証を得る手掛かりもつかみ、捜査の中心を実働部隊の捜査1課に移したばかり。

まだ細かい検証や書類事が残っているが、それは一刻を争うことではない。
岡部が、まだ終わっていない と渋る薪ををなだめすかして仮眠室へと追いやったのが、20分前のこと。

モニター室のドアが少し開くと、隙間から薪の顔がひょい と現れた。
「宇野、ちょっと...」
顔の下から手が現れて、ひらひらと宇野を招く。

PCに向かっていた宇野が、問うように岡部を見た。
またか、とため息交じりのあきらめ顔で、岡部は顎をしゃくって薪を差し、行って来いと目で答える。
宇野は書きかけの書類を保存すると席を立ち、モニター室のドアへ向かう。
宇野が立つのを確認すると、薪の顔はするっと消えた。

仮眠室のドアをノックする。先に着いていた薪の応答がある。「入れ」

室内は暗く、窓から差し込む街灯のおこぼれで、ぼんやりと物の輪郭が分かる程度。
はだけた毛布が床にだらしなく垂れているソファに、薪が座っていた。
膝に肘をついて、顔を手で覆っている。

「寝付けないんですか。」

先ほどまでフル回転していた頭脳を、そうそう急にはoffに出来ない。
その状態で眠ろうと目を閉じてみても、頭の中で捜査の経過を再確認している。
いっそ羊を数えてみるが、気がつくと思考は元に戻っている。
そのうち気になることが出てくると、もうとても目を閉じていてはいられない。

「今のうちに少しでも寝ておかないと、明日に差し支えるのに、な。」
そう言って宇野に向けた薪の顔はハッキリと見えないが、宇野は見なくても分かっていた。
疲れた体が刻む、眉間の間のひそやかな縦皺と、青白く血の気のない頬。
自分を自分でコントロールできずに人に頼る嫌悪が色濃いが、依存する心地よさへの期待が一刷毛混じった瞳。
宇野しか知らない、薪の顔。

「じゃ、いつものようにして、寝ましょうか。」
「ん、頼む。」

宇野がゆっくりソファへ近づくと、薪が交代するように立ち上がった。
上着を脱ぎ毛布を拾う。そして、肘掛と背もたれの角を背にして、斜めにもたれるように座る。
柔かな目で薪の顔を見上げ、ポンポン と自分の胸を叩いて誘った。

薪はソファに、横向きに心持丸まって横になる。宇野の胸に手の平をつき、頭を預けて目を閉じる。
宇野は毛布をかけると、薪を抱くように両手をその上に置いた。

遠くから聞こえる心臓の鼓動。薄いシャツを通してダイレクトに伝わる体温が、ほおを温める。
上に置かれた両手の適度な重さが、もぞもぞと思い巡らし漂いだす薪の意識を、この場に繋ぎとめる。
ふぅ 満足げなため息が、思わず薪の口からこぼれた。
出した溜息分吸い込むと、初めてわかるムスクの香り。

「どうです? 少しは落ち着きました?」
「ああ。」

斜め上から聞こえる宇野の声。高くもなく、低くもなく、落ち着いたリズムを紡ぎだす。
どうして宇野の声は、こんなに静かに聞こえるのだろう。
あんなに頭から離れなかった捜査の事は意識の奥底に後退し、今はただかの声に耳を傾ける。

「仕事を中断させて、すまない。」
「いや、いいんです。このぐらいの時間、大丈夫ですよ。」

「室長」
「ん?」
「今日ヒバリが鳴いていましたよ。気がつきました?」
「いや。」
「ここは5階ですからね。ちょうど囀る高さと一緒なので、窓を開けるとうるさいほど響きます。」
「そうか。」
「となりのビルを取り壊した後、昨年から空き地になったでしょう?」
「うん。」
「ヒバリは、その空き地に来ているんですよ。」
「ん。」
「きっと空き地に、巣を作りますよ。」
「...」
「野良猫が多そうだけど、大丈夫ですかね。」

「室長?」

返事がなくなったのに気付いた宇野は、薪の顔にかかる髪を掻きあげて覗き込み、寝付いたのを確かめる。
眠りが深くなるまで、もうしばらくこのままで。
無心に眠る薪の顔がとても可愛く見えて、頬が緩む。
可愛いなんて言ったら、きっと室長は激怒するんだろうな。

しばらくすると、宇野は薪の下からそっと体を抜いて毛布をかけなおし、仮眠室を後にする。
モニター室に戻った宇野に、岡部が尋ねた。
「どうだ、寝たか?」
「はい。今日は早かったですよ。疲れているんでしょう。」
「そうか、良かった。御苦労だったな。」

PCに向かい中断した作業を続行する宇野の背中を、岡部は何気に眺めた。
宇野が寝かしつけるようになってから、薬に頼らなくて済むようになったのはいいんだけれど。
薪さん、なんでいつも宇野ご指名なんだ? 

(完)


エーと、やっぱり薪さんが宇野さんを好き、と言っているわけじゃないんですよ。
(私の妄想の中では)
でもこの怪しい雰囲気、なんなんでしょうね?



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コメント

【 青木はどこへ 】
この役目、役得、青木じゃ駄目だったんですか。岡部でも駄目なんですか。
なぜ宇野、、何故、、
や、宇野さんいいですけど何故(しつこい)
【 お久しぶりです! 】
シーラカンスさんも言ってますが、何故宇野さん?
何故、何故に?
「宇野 1」も読んだんですけど、すぎやまださんの宇野さんはとっても不思議な雰囲気を醸し出してますねぇ~。
ちょうど今、宇野さんの記事を書こうといろいろ考察している所で読んだら・・・、私の宇野さんイメージとかなり違うみたいでちょっと焦りました(^^;
でもきっと宇野さんって『癒し系』なんですよね・・・?
そこは私も共感いたしました(^^)
【  】
■いらっしゃいませ~ シーラカンスさん
> この役目、役得、青木じゃ駄目だったんですか。岡部でも駄目なんですか。
> なぜ宇野、、何故、、
> や、宇野さんいいですけど何故(しつこい)
うーん、なぜといわれると....。もう原作全く無視の、私の妄想の話になりますが。
岡部さんは硬くて寝ごごち悪いし、お母さんだから微妙な雰囲気は出せない。
青木さんは、原作で表現される押しの強さが何となくダメで、OUT OF 眼中です。
曽我さんと小池さんは、キャラ的に論外で。
今井さんは、男とは絶対ダメかなぁ。
結局、原作でキャラが一番薄い宇野さんを、妄想で勝手に仕立てあげて、こんなお話になりました。
薪さんが 色恋抜きで肌を寄せる事が出来る人、が欲しかったんですよ。
妄想している私以外、こんな話読みたい人なんて いないと思いますが...
災難だと思って、お付き合いください。 へへ
■めぐるさん、いらっしゃいませ~
>ちょうど今、宇野さんの記事を書こうといろいろ考察している所で読んだら・・・、私の宇野さんイメージとかなり違うみたいでちょっと焦りました(^^;
おお、宇野さんミニブーム?
私の所の宇野さん、原作100%無視してます。
薪さんに添わせてみたいキャラを、勝手に押しつけてます。
ですので、お願いです、焦らないでください~。
私も原作宇野さんは、全然こんな人とは違うと思いますし。
めぐるさんの考察、楽しみに待ってますよ。
【 宇野さん、役得~! 】
青木だと、薪さんはドキドキしちゃって逆に寝られそうもないから、宇野で正解かなあと私は思いました。
でも、そうですか、青木はOUT OF 眼中ですか(笑)
だからSSで全く出てこなかったり、殺されちゃったり(つまり脇役)してるんですね(^^)
うん、そんなのも全然有りだと思います。
というか、むしろ楽しいっ♪
萌えSSの種類はファンの数だけありますね。
【 Re 】
こんにちわ~ めぐみさん
> 萌えSSの種類はファンの数だけありますね。
おお、フォローありがとうございます。
青木さんファンにはほんとーに申し訳ないんですが... 妄想にはほとんど出てこないんです。
他のブログでお忙しいから。
だけど、青木さんのお話でも、とてもおしくいただいていますよ。
SLIP18 更新早くてうれしいです~。でも、無理なさらないでね。

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