FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2次創作 「追跡」

先日一部の記事を消してしまって。
バックアップからインポートしたら...残っていた記事が2重になったり。てんやわんや。
コメント見にくくなったり、拍手消えてたりしています。
拍手/コメント下さった方、すみません。




はあ、はあ、はあ、はあ

廃墟と化した工場の倉庫の中で、岡部は錆だらけのフォークリフトの影に走りこんだ。
フォークリフトにもたれ、すっかり上がった息を何とか整えようとする。
目に流れ込もうとする額の汗を、シャツの袖でぐいっと拭いた。

はあぁ、第九に来て、すっかり体がなまっちまってる。
このぐらいのことで、息が切れるとはな。

激しい呼吸音をなんとか納めながら、右手に持つ銃を構えなおした。
影に隠れたまま、そっと来た方をうかがう。
開け放たれた倉庫の入口は明るく、これならば誰が入ってきてもすぐに分かる。
ここならば、待ち受けるには最適の場所だ。

さっき援護してやった小池はどこだ?
もう着いているはずだが。

背後でカチリ、とかすかな音がした。
思わず銃を構えて振り返ると、数メートル斜め後ろのコンテナの背後から、小池の顔が。
小石か何かを、投げて合図したようだ。
止めていた息を、ふうと吐き出す。

”岡部さん、大丈夫ですか。”

”ああ、だが...今井がやられた。”

”えっ!”

2人は声を出さず、唇だけで会話した。

”感傷はあとだ。時間がないから、すぐに来るぞ。油断するな。
 残りは2人。先に来た方は俺がマークする。
 後から来た方を小池がマークしろ。いいな。
 確実に仕留めるんだ。”

その時大きな音を立てて、人影らしきものが入口から走りこんできた。
岡部はためらうことなく、その人影に向け発砲する。
しかし、最初の1,2発で気がついた。それは人ではなく、台車にくくりつけられた朽ちたマネキン。

しまった! こちらの位置を知るためか!

思ったとたん、入口から狙撃された。フォークリフトの背後で身を縮める。
小池の援護射撃で、敵の注意が小池にそれた。
すかさず、岡部は斜め前方の廃ロッカーの後ろに、身を低くして転げ込んだ。
小池と銃撃戦を続ける敵の背後に、じりじりと回り込む。

「ああっ!」

小池の悲痛な叫び声。
それを聞いた敵が、思わず身を乗り出すのが見える。

「おい!」

声を掛けると、驚いた敵が上体を起こして振り返る。
その時を逃さず、岡部は銃弾を撃ち込んだ。

小池に走り寄ろうとしたその時、背後で靴が小石を踏むかすかな音がした。
銃を構えて振り返ると...



薪は曽我を引き連れて、2人を追っていた。

青木のあほう、早々にやられてしまうなんて。
図体がでかいと、弾が当たりやすいんだろうけど、それにしても役立たずな奴。

2人は倉庫に向かっていた。

なるほど、もう時間がないからな。
守りに徹することができる場所を、選んだわけか。
フン、一応いろいろ、考えているんだ。

倉庫の前で、薪は曽我に指示を出した。

「その廃材の山から、人に似せた物を作って、入口から放り込め。
 きっと発砲してくるだろう。
 位置が分かったら、狙撃しろ。
 その間にぼくは2階窓から倉庫に入り、背後から不意を突く。」

薪は倉庫横の物置の屋根によじ登ると、倉庫の2階の破れた窓から忍び入った。
1階へ降りると、曽我がマネキンを倉庫に突中させた所。

コンテナの後ろの敵は、銃撃戦をしている曽我にまかせ、薪はもう1人を探す。

...あ、いた。

廃ロッカーの山の背後にいた。
曽我の背後に回り込もうとする敵のその背後に、薪は足音を忍ばせ近づく。

敵の不意を突くことが出来、うふうふと笑いがこみ上げてくる。
余りの愉快さに、つい注意がお座なりになり、小石を踏んでしまう。
小石が砕ける乾いた音が、小さく響いた。



岡部が銃を構えて振り返ると...

薪がいた。
銃口を岡部に向けて、薄笑う薪がいた。

岡部の顔から血の気が引く。後悔で唇を噛む。
くそ! 曽我に気を取られて、背後の警戒を怠った!
こうなれば...薪さん...

岡部はとっさに、相撃ちの覚悟を決めた。薪に向けて、容赦なく発砲する。

カチッ     ..撃鉄が空打ちした。

あぜんとした岡部の顔に、楽しくて楽しくて、薪の顔に笑みが広がる。
抑えきれず、クックックッと喉の奥から声が漏れた。

「岡部、残念だな。
 おまえのSIG P228の装弾数は弾倉に13発、チャンバーに1発、計14発。
 曽我に向けた1発が14発目。もう弾倉は、空だ。
 ぼくの勝ちだ、な。」

薪は引き金を引いた。



「はい、タイムオーバー、そこまで。」

教官の声が響くと、倒れていた死人が起き上がり、ぞろぞろ集まってきた。
皆、背中やら左胸やら腹やらに、オレンジの蛍光ペイントがべったり飛び散っている。

青木:「ああ、俺早々に死んじゃった。ガクッ」
曽我:「青木、おまえ一番早かったもんなあ。俺なんか、一番最後だぞ死んだの。えっへん。」
小池:「曽我、おまえむやみに銃撃戦に持ち込むなよな。
    回りに当たった飛沫のペイントで、全身べとべとで気持ち悪いんだよ。」
今井:「ペイント弾でも、あたると結構痛いんだよなぁ。
    俺のビューティフルな体、あざになってなきゃいいんだけど。」
岡部:「薪さん、もうタイムオーバーで勝ちが決まっているなら、わざわざ発砲しないでくださいよ。
    ペイント弾のペイント、落ちないんです。」
薪: 「おまえの ”あ、弾倉残数える基本的な事忘れてた” あぜんとした顔見たら、もう可笑しくて。
    つい、な。」

教官が訓練の終わりを宣言する。
「今日の射撃実地訓練は、これをもって終了します。
 今回は、追跡側の薪チームが勝利しました。
 犯人側の岡部チーム、次回はがんばるように。」

その時、薪の携帯に留守番役の宇野から連絡が来た。
薪: 「第九に緊急捜査の依頼が来た。すぐに脳が届く。
   帰るぞ。急げ。」

小池:「室長。せめて着替える時間、くださいよ。
    え、着替えたいの俺だけ? 
    ああ、みんな、待って、待って~。」

(完)


この記事のトラックバックURL

http://sugiyamada1701.blog6.fc2.com/tb.php/157-973176bb

コメント

【 good! 】
すぎやまださん、こんにちは

最初は、一体どんなヤマだ? なんて思って、そしたら、えええ? 何で? 一体? 二手に分かれて、的を追い詰めているのか? ・・・うにゃ? 薪さん、青木がやられても、あんまり心配してないな(^^;) うーん、とか思ったら、薪さん、敵に捕まって催眠術でもかかっちゃったのか? と焦りました。・・・訓練だったんですか。

今井の台詞が面白かったです(^^) 

シグザウエルを採用されましたか。オートマチックですね。(リボルバーを脇の下に隠すってすごすぎるといつも思います)

ところで、5巻の表紙で薪さんが持っている拳銃は、どれなのか、探したことありますか? 私は未だに分かりません・・・。

お邪魔しました。
【 Re: good! 】
第九の部下Y さん、いらっしゃいませ~

こんな訓練、本当はしないと思いますが.. お話と割り切ってください。

> 今井の台詞が面白かったです(^^) 

私の妄想では、今井さん ナルちゃん入っているので。

> シグザウエルを採用されましたか。オートマチックですね。(リボルバーを脇の下に隠すってすごすぎるといつも思います)

wikiったりgoogったところ、私服警官だとSIG P220だそうですが、今回はちょっとグレードupして特殊部隊用のP226を使ってもらいました。 
なにがグレードUPしたのか、ぜんぜん分かってないですけど。

たしかにリボルバーって、かさばりそうです。脇の下だと、かなり邪魔な気がしますね。
制服警官は、現在もリボルバーらしい。 腰に、だけど。
(お回りさんに、「見せて」なんてとても言えないけど、一度見てみたいです。」

> ところで、5巻の表紙で薪さんが持っている拳銃は、どれなのか、探したことありますか? 私は未だに分かりません・・・。

お、探してみましたか! 実は私も、なんですが..分かりませんねぇ。
webでは結構画像が少ないんですよね。 あってもアングルが真横からとったものばかりで。
本屋に行っても、モデルガンの写真集はあっても、実物の写真集ってない気がします。
実物は本でも、輸入物にたよるしかないのかなあ..なんて思ってます。

またお越しくださいね~

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

Template Designed by DW99

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。