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2次創作 「MRIシステムはブランコの夢を見るか」

更新ないのに、訪ねてきてくれる方には本当に申し訳ありません。感謝です。
「ああ、まだ更新してない」とがっかりする気持ち、いつも味わっているのに。
されていやな事はしない、というのが人づきあいの基本。なのに、すみません。

おまけに、いやーなお話をupしてしまいました。
暗くて悲しくて全然救いない、どよーん話です。
幼児が被害者となる事件がいやな方は、スルーしてください。
ほんとーに、スルーしてください。

第九メンバー一人も出てきませんし。



...ん、ふぁあー。いつのまにか寝ちゃった。まだ夜なのかなあ。真っ暗だ。
ママー、ママー どこ? どこにいるの? 明かりつけてよ。
いないのかな..あ、またぱちんこ屋さんへいっちゃったのかな。

そういえばぼく、ぱちんこ屋さんのちかくの公園で遊んでたのに、どうやっておうちに帰ってきたんだろう。

あ、急に目の前にテレビがうつったぞ。あれは、さっきまで遊んでいた公園だ~。
カメラが公園まで走ってる。

そうだ、公園にいったら、ぼくとおなじぞうぐみのちいちゃんが砂場で遊んでいたんだ。
あ、ちいちゃんがやっぱり砂場にいる。ちいちゃん!
いっしょに遊ぼうっていったのに、すこっぷ貸してってちゃんと言ったのに、ちいちゃん貸してくれなかった。
やっぱりちいちゃん、すこっぷにぎったままいやいやしている。いっしょだ!
あれ? 声が聞こえないなあ?

だからぼく、ちいちゃんのバカっていって、ほかのことをしにいったんだ。
えーと.. あ、やっぱりテレビにうつってる。おおきな木のしたで石をどけている。
わらじむしを探してたんだ。
ほらね、きょうはたくさんいて、手の平にのっけるとみんなコロコロまるまって。
ほんとうにまあるくなって、みんなみんなあまあるくなって。ぼくの手の平でコロコロって転がるんだ。
おもしろいでしょう!
いっしょうけんめい、探してたんだよ。たくさん、たくさん、いたんだよ。

あ、ママもテレビにうつってる!こっちへ向かって歩いてきている。ママー。
でも、すごく怖い顔してぼくの前まできたんだ。
あ、下からみあげたママの怖い顔がテレビいっぱいにうつっている。
そのままぼくの手をつかんで、公園のトイレの裏まで引きずってたんだ。

トイレの裏で、ママはぼくのかたをつかんで、ゆさぶってこう言ったんだ。
ぼくにはなんだかよくわからなかったけど、ママがすごく怒っているのはわかったんだ。
ごめんなさい、ママ。ぼくがなにか悪いことしちゃったんだね。ごめんなさい。

「おまえのせいで、おまえのせいで、パチンコ屋を追い出されたじゃないか!
 子供を外で遊ばせては、入店できません って言われたんだぞ。
 おまえが居るから、ママは好きなことが出来ないんだ。おまえのせいだ。
 おまえが生まれてから、ママはいつも一人でおまえの面倒をみてきて、楽しい事が一つもありゃしない。
 もう、うんざりなんだよ。」

あれ、やっぱりテレビからは音がきこえないなあ。

テレビのママは、手をぼくの首にのばして力をいれた。
そうだ、ぼく すごくこわかったんだ。すごく くるしかったんだ。でも、もう今はへいき。
ごめんね、ママ。ぼくが悪い子だから、おこっているんだね。
ごめんね。

あ、テレビがだんだん暗くなって、きえちゃった。
また真っ暗になっちゃった。 

でも、なんだか体がふわふわしてきた。
なんだか、ブランコにのっているみたい。
回りがなんだか明るくなってきたよ。

やっぱりぼく、公園のブランコにのってるるんだ。
ブランコのりたかったんだよ。でも押してくれるひとがいないから。
あ、ママが押してくれてる! だからこんなにたかく、とおくへ行けるんだね。
すごくきもちがいいよ。おもしろいよ。うれしいよ。ママ
ほら、そらがすぐちかくにあるよ。



MRI担当技官の2人が、MRI室で作業をしている。

「先輩、今回はいやな事件ですね。5歳の子供の脳を見なきゃならないなんて。」
「そうだな。遺体を引き取る時の、母親の取り乱しようはこっちが見ていて辛いよ。
 でも、物証も目撃者もなければ、仕方がない。
 もう脳を取り出しても、痛くないことが唯一の救いだよ。」

「おまえ、プローブの脳への取り付け、やってみるか?」
「え、いいんですか! 是非!
 情報ラインは、ここと、ここと、ここと、ここ...
 電気インパルスのラインは、ここと、こっち...ですかね。」
「お、結構勉強しているじゃないか。まあ、そんなとこでいいだろう。
 おい、システム起動して、第九に捜査可能になったことを知らせてやってくれ。」
「はい!」

「先輩。捜査中はこうやってずっと脳のスキャンモニタ見ながら待機なんですか?」
「ああ、まだ確立されたシステムじゃないからな。何があるか分からない。
 常に脳の状態は監視しておかないと。」

「あれ、神経細胞が活動しているの、海馬だけじゃないですよ。
 ほら、視床下部や後頭葉でもかすかに活動が見られます。」
「本当だ。あまり見たことがないパターンだなあ。発達途中の幼児の脳だからかなあ。
 この部位のパターンはどこかで見たような...
 ああ、レム睡眠で夢を見ている時のパターンに良く似ているぞ。」

「この子は夢を見ているんでしょうか。」
「どうかなあ。夢と判断する高次機能はすでに失われているから、見ているとは言えないかなあ。
 でも、プローブ以外のすべての出力手段が断たれているから、脳のなかで何が起こっているのかは
 分からない。
 もしかすると、本当に夢をみているのかもしれない なあ。」
「楽しい夢だと、いいですね。」

(完)



こんなに後味が悪いお話迷ったのですが、UPしてしまいました。
親子って、憎むときは本気で殺したいと思うほど憎むのに、激情が去れば愛おしさは常のまま蘇る。
親が何をしようとも、親というだけで子は無条件に慕ってくる。
それがすごく不思議です。



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コメント

【  】
幼児のお話・・ということで、スルーしよう、と思っていたのに、電気羊・・じゃないタイトルに引かれてしまって、ついつい読んでしまいました。

・・深い、衝撃。
でも、辛く苦しいだけではなくて、何か、眩しいような。
透明なガラスを通して、キラキラした光を見るような、そんな印象も受けたのです。

親の子に対する愛は無償の愛。と、よく言われますが、子の親に対する想いの方が、実はずっと無償ではないかと、今は、そう思います。
【 Re: タイトルなし 】
まいどです~

> 幼児のお話・・ということで、スルーしよう、と思っていたのに、電気羊・・じゃないタイトルに引かれてしまって、ついつい読んでしまいました。

おお、わかっていただけましたか!
MRIと脳が融合して思考する、みたいなこと書きたかったんですが、最終的にこんな話になってしまって。
題名と中身が合わなくて、期待させてすみません。

> でも、辛く苦しいだけではなくて、何か、眩しいような。
> 透明なガラスを通して、キラキラした光を見るような、そんな印象も受けたのです。

ああ、そんな風に読んでいただけるとは...幸せ者です。私

> 親の子に対する愛は無償の愛。と、よく言われますが、子の親に対する想いの方が、実はずっと無償ではないかと、今は、そう思います。

おっしゃる通りだと思います。
小さな子供だと見栄や駆け引きなしなので、特にそう思います。


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