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2次創作 「岡部と薪のエピソード 1」

あまり謝ってばかりで、謝罪の価値が下がっちまいますね。でも、やっぱり言います。ご無沙汰ですみません。

自分の能力のなさに絶望的に落ち込む事があって、ちょっとヒッキー気味でした。
(死語ですな、ヒッキー)
しばらく妄想していなかったら...妄想にテレが出てきてしまい、なかなか進みません。

今回は初心に帰って、痛い薪さん目指してます。
読みにくいですが、それでもよろしければ...




小島郁子の事件は、第九の手を離れた。
第九の見解を元に検察が立件するまで持ち込むのは、もはや捜査一課の仕事である。

小島郁子の事件は終わったとはいえ、バックリストはまだまだ溜まっているし、新しい事件も発生する。
いくら3人増えたところで、1週間の研修を受けただけの俺達が、すぐに使い物になるはずもない。
俺達が捜査をしている事件に加え、室長は他の事件も同時に抱え、ろくに仮眠も取れない状態は変わらない。

そういえば、初めて会った時の室長は、傲慢で鼻もちならない冷血野郎だと思った。
こんな奴と仕事を共にしなければならないわが身を嘆き、前途多難を予感した。
しかし捜査を始めてみると、意外にも室長は使い物にならない俺たちを突き放すことなく、根気よく付き合ってくれる。
俺の前途多難な第一印象は、みごとに外れた。まあ、捜査を進めるために必要、といえば必要な事であるが。

室長は頻繁に俺達の進捗を伺い、捜査の方向を確認し、的確な指示を残して行く。
「お前たちがMRIに慣れるのも大切だが、捜査を進めることを大切だ。
 今はわからないことがあったら、まず僕に聞け。自分で調べようとするな。時間がかかる。
 ただ、一度教えたことは、2度と聞くなよ。」
と室長は言い、その通りに実践している。
たまに曽我が「おまえ、前にも言っただろうが。」と叱り飛ばされ首をすくめているが。

室長の不眠不休の状況は、まだしばらくは続きそうだ。
俺や小池が気遣って休憩を勧めても、「ぼくはいい。それよりも...」と取り付く暇もない。
俺たちにはきちんと休憩や仮眠の時間を配分するのに、自分には必要がないと思っているらしい。

いや...違う。
仕事以外の事を考える間が空くのが、怖いのだろう。眼を閉じるのが、怖いのだろう。
自分の部下を全員失い、あまつさえ一人は正当防衛とはいえ自らの手で命を絶った。
その心境は、辛いだろうとは思う。それを思いだす事が嫌な事までは、想像できる。
でもだからと言って、ここまでストイックに捜査に没頭する室長の姿は、俺にはどうも異様に映る。



曽我が見つけた画とそれに対する見解の意見を聞きたく、モニターの前で何事か考え込んでいる様子の室長の背中に、声を掛ける。
「室長。見ていただきたい画があるんですが...」
応答がない。

訝しんで近づいてみると、肘を突いた手を額に当てて俯いている。居眠りをしているようだ。
肩にそっと手をかけて、何気ない振りをして再度声を掛けてみた。
「室長。見ていただきたい画があるんですが...」

俺の声に気づいた室長が、あわてて眼をこする。
「あ、田中。すまない。で、どの...」
顔を上げた所で、続きの言葉を飲み込んだ。どうやら前の部下と間違えたようだ。
俺を唖然と見上げている室長の顔に、無防備な戸惑いが広がる。
瞳だけが悲しみに、次いで苦痛にと色を変える。

「少し寝たらどうですか? もう丸一日ぶっ続けですよ。」
俺の言葉に、室長は肩の手を払いのけ、いきなり立ち上がった。もう瞳には俺に対する怒りしか、ない。
「ぼくの事はいい。で、見るのはどの画だ?」
「それは後でもいいですか..」
「ぼくの事は構うなと言っている。おまえの耳は飾りか? で、どの画なんだ。」
「しかし..」「しつこいぞ、岡部」

室長は邪険に俺を押しのけると、あっけにとられた顔を上げている曽我をめがけた。
何事もなかった顔をして モニターに向かい曽我と話し込んでいる姿に、俺は言葉の行き先をなくす。

なんて奴だ。無愛想にもほどがある。せっかく心配してやっているのに。



室長の手の火傷は、昨日包帯が外れた。
しかし、心の方はまだ回復には程遠い。

俺と話をしている途中、室長の注意がふと俺の背後に向かう。視線が俺を透かした背後に逸れる。
何かを見つめたまま言葉が途切れ、数秒間黙り込む。
「室長?」
俺の問いかけを無視して目を閉じる。深呼吸を一つして目を開けると、何事もなかったように話を続ける。
俺を見上げるその顔は、さっきの中断は無かった事と、自分はもちろん俺にさえ無視することを強要している。

幻覚を幻覚と認識し無視できるようになった事が、良い事だとは俺には到底思えない。



田城副所長が時々第九を訪れる。用事があることもあり、無いこともある。
用事がなければ室長や俺達と他愛もない会話を少しして、そのままふらっとモニタ室を出ていくだけだ。
何かと第九や室長が、気にかかっているようである。

喫煙室で一服していると、田城副所長が入ってきた。

「やあ、岡部くん。第九の仕事にはなれたかい」
「俺にはデスクワークはちと辛いです、田城副所長。」
「田城でかまわんよ。副所長なんて長ったらしい。」

田城さんはタバコを取り出したが、空なのかそのまま箱をくしゅっと握り潰すと、小銭を求めてポケットを探りだす。
俺がタバコを差しだすと、すまんねぇ など言いながら、一本取り出し火をつけた。
紫煙がゆらゆらと天井の排気口へ向かうさまを、2人無言で目で追う。

他に人が来る気配もない。
田城さんは室長との付き合いも長いらしいし、前から気になっている事を聞いてみようか。

「田城さん、室長はなんでああまで..その..なんというか..」

「自虐的、かね?」

「そう、それなんですかね。食べない、寝ない、休まないで仕事だけ。あれじゃ体がもちませんよ。
 そのくせ俺達にはきちんと休憩させる所を見ると、頑張ればなんとかなるっていう精神至上論の信仰者でもなさそうだし。
 前からこうなんですか?」

「うーん。その傾向はあったにせよ、やっぱりあの事件からかだなぁ。」

「今にも壊れそうで、こっちがハラハラしちまう。
 でも心配するそぶりをチラリとでも見せようものなら、余計虚勢を張るから始末に負えない。
 あれを気にするな、っていう方が無理ですよ。」

「彼が部下や鈴木くんを失ってから、まだ日が浅いからねぇ。」

「それは俺でも判ります。仕事に没頭することで、辛い記憶を締め出そうとしているんでしょう。
 しかし、何というか...違和感があるんです。」

「違和感?」

「最初に会った時に室長は、人づきあいが苦手な頭でっかちの皮肉屋だと思ってました。人生順調に歩いてきたキャリアらしい、と。
 しかしそんなエリートである室長が、全く違う世界にいる小島郁子の日常を、心情的に理解できることに驚きました。
 それにMRI捜査を教える室長は、俺達の疑問に的確に答え、あまつさえステップアップへの道程をも同時に示唆する努力も、厭わない。
 仕事の上に限って言えば人あたりは悪くないし、コミュニケーション能力も高い。もともと人嫌いでは無いと見えます。」

「...」

「なのに、なんであんなに人を拒絶するんです? 
 見えないバリアを張っていて、ちょっとでも入ろうものなら敵意丸出しで追い払う。」

「さすがに岡部くんは、人を見る目が鋭いね。
 たしかに事件以前の薪くんは、皮肉っぽい所があるにせよ、あんな人ではなかったよ。」

「田城さんには、まだ気を許しているみたいですね。」
「ああ、鈴木くん以外、私が一番付き合いが長いかもしれないからね。」

「なら、田城さんなら心当たりがあるんじゃないんですか? あんなに人を拒絶する理由。」

「...岡部くん、君は薪くんをどう思う?」

いきなり、田城さんは質問に質問で返してきた。

(続)




実は続きまだ考えてないので、2を書いてから1を変更し、つじつま合わせをするかもしれません。


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コメント

【 きたー! 】
しづの好みど真ん中の薪さん、きたーー!!
鈴木さんを失ったばかりの薪さん。自分を追い詰める薪さん・・・・・痛々しいけど大好物です!(ドS)
特に飲まず食わず眠らず、というのはツボ中のツボです。しかも、幻覚を判断して無視できるように進化してしまうなんて・・・・・なんて悲しいの、薪さん(;;)(と泣きつつ、萌える)

落ちていってください、このままドロドロと<おい!!

つづき、楽しみにしてます。(^^
【 Re: きたー! 】
いらっしゃいませ~ しづさん

> しづの好みど真ん中の薪さん、きたーー!!
> 鈴木さんを失ったばかりの薪さん。自分を追い詰める薪さん・・・・・痛々しいけど大好物です!(ドS)
> 特に飲まず食わず眠らず、というのはツボ中のツボです。しかも、幻覚を判断して無視できるように進化してしまうなんて・・・・・なんて悲しいの、薪さん(;;)(と泣きつつ、萌える)

そうそう、自分を追い詰めてくるくると負の連鎖に落ちる薪さん、いいですよね。
でもしづさんとこみたいにすごーく痛い薪さんが出てこない、私の貧相な脳みそが...憎い!
ああ、痛い薪さ~ん、come

> 落ちていってください、このままドロドロと<おい!!

【 続き 】
!!

(興奮しすぎて、enter押してしまいました。)

このまま落ちていただきたいのですが...
出来るだけ痛くなるように、がんばります!
【 切なくて良いですねー 】
こういう原作の間を埋めるタイプのSS大好きです♪
薪さんが切なくて…そうか、痛いっていうんですね。
精神的に痛い薪さん、好物です~。

つづき、つづき…
【 Re: 切なくて良いですねー 】
おお、めぐみさん いらっしゃ~い

> 薪さんが切なくて…そうか、痛いっていうんですね。
> 精神的に痛い薪さん、好物です~。

そうそう、せつなくて切なくて、心が痛くなる切なさがいいんですよ。
でも、貧相な脳みそだと、なかなか妄想が出てくなくて。
つづき、もうしばらくお待ちくださいね。

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