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2次創作 「百鬼夜行 1」

えーと...私は何を、したいんでしょうねえ...

大風呂敷広げましたが、大したオチはありません。
すみませんが、続きはぜーったいに期待しないでくださいね。
竜頭蛇尾 どころではなく、竜頭糸ミミズ尾 です。 たぶん。




岡部と薪が、百鬼夜行に遭遇した。



岡部と薪は、東京郊外の現場確認に向かっていた。
思いがけない渋滞にぶつかり、現場についた時点ですでに、時間は予定より大幅に遅れていた。

東京近郊、といえども山へ少し入るだけで、思いがけないほど田舎の風景に出合うことが出来る。
車が入ることができない道を現場に向かい、引き返すころには日はとっぷりと暮れていた。
幸い満月に近い夜で、明かりが無くとも 道を歩くには何の苦もない。
2人は暗い道を、辿っていた。

ふっと、なにか..何かが変わった事に、気がつく。
何だろう...

回りの空気が..温度が、数度下がったように感じる。
すだくような虫の声もぴたり、と止んで今は無音。
思わず2人は立ち止まり、周りを見回し様子を探る。
不審なものは何もない。

ただ仰ぎ見ると、満月のはずであった月が...赤く..血のように、赤く染まって。

異様な月に驚き凝視すると、月からなにやら小さなものがわらわらと、列を作って降りてくる。
それは見る間に近づき、大きくなった。
それは..見たこともないような異形の者どもが成した、列。

首がない者
腹からはみ出したはらわたを、ずるずると引き摺る者
一本足が生え、ぴょこん ぴょこんと跳ねる鍋
首が真後ろに折れ、逆さに後ろを向いている子
人の頭をした犬
犬の頭をした人
びっこをひく柄杓
のっぺらの顔をした者が、全身目で覆われた者に手を引かれている
まだ胞衣に繋がっている胎児
足が無数にある牛
折れた首を自らの手で支えてる琵琶は、空いた手でびよん、びよんと弛んだ弦を鳴らしている

その列は空を大きくう回して、岡部と薪が辿る道の向こうに降り立つと、そのままこちらに向かって進んできた。
夢でも見ているような光景に、2人はその場にただ立ち竦む。

「なにやら人の匂いがする。」
「おお、匂うぞ、匂う。」
「うまそうな、匂いじゃ。」

列の先頭の者が、空をくんくんと嗅ぎまわり始めた。
そのうち動けぬ2人をわらわらと囲うように、列を乱して集まりだす。

「あな、ここに人がおる。」
「人がおる。いく久しく食うておらん、人がおる。」
「うまそうな、人じゃ。」

「いかで喰らいばや。喰らいばや。」
「あなうれしや。目の玉を、ざりんと舐め取ろうぞ。」
「あなうれしや。その肉を、ぞぶりと噛みちぎろうぞ。」
「あなうれしや。その骨を、ごつんと砕こうぞ。」
「あなうれしや。その血を、ぞぞぞと啜ろうぞ。」

異形の者の輪が、だんだんに狭まる。今まさに、手をかけるその時。

「やめい!」

涼やかな、しかし力強い りん、とした声が響く。
とたんに、輪がざわざわと崩れた。

崩れた輪が大きく欠ける。そこへ ごとり、ごとり、と牛車が乗り込んできた。
高貴な方が使う唐車風の牛車は、6本の足と3本の角をもつ者が曳いている。

簾が隠した内側から、先ほどの声が響く。
「わらわが良し、というまでは、みだりに手を出してはならぬ。」

ごとん、ぎいいいいいっ、と音をたてて牛車は止まった。引く者もいないまま、御簾がするすると上がる。
いざる事なく宙を浮くように、すすすと中から現れたのは、女房装束の女人。

薄紫の裳を引き摺って、紫の唐衣と表着をまとっている。
表着からは、紫から淡縹へグラデーションする五衣が覗き、その下の白い単と紅袴がはっとするほど鮮やかに映る。

年の頃なら17,8。毅然とした姿は、何やら高貴な気を漂わせている。
漆黒の長い髪と、透き通るような白い肌を持ち、匂いたつように美しい。
ただ深紅の艶めかしい唇だけが、あたかも別の生き物であるように、見る者を妖艶に誘う。



「ひいさま。何事でござりまする。」
と牛車の脇にのそりのそりと現れたのは、醜い疣だらけの大きな蝦蟇。

「爺(じい)。わらわは、この者が欲しい。」
と言い放つ姫の視線の先には、薪がいた。

「なんと! そやつは、我らと同じ鬼では、ござりませぬ。人、でござりまするぞ。
 お戯れも過ぎまする。」
蝦蟇の姿をした爺が、姫をいさめる。

「うるさいわ、爺。
 人であった現世(うつしよ)を離れ、鬼となって常夜(とこや)を彷徨うこと、もはや幾百年過ぎたかも忘れたほど。
 わらわは彷徨うことに、飽きてしもうた。
 それに見よ、その間伴となる者は、このようにおぞましい姿の者ばかり。
 わらわは、美しいものが好きじゃ。退屈を慰める、美しいものが欲しいのじゃ。」

「しかし...」

「退屈の慰めに、こやつは丁度よい。
 手元に置いて飼い、その美しさを愛でて見たい。
 なに、いづれ飽きるであろう、それまでの間だけじゃ。」

「ひいさま、それは なりませぬ。
 人とは、恨み祟って害を与えるもの。人とは、喰ろうて啜るもの。
 われら鬼が、物の怪が、人を飼うなど聞いたこともござりませぬ。」

「少しの間、と言うておろうに。わらわは、こやつが欲しいのじゃ!」

「ひいさま!」
「ええい、黙れ黙れ! 黙らっしゃい、爺!」

姫の口から、青白い炎がめらりめらりと吐きだされる。
髪がざわざわと揺れて逆立ち、獲物を探すかのように牛車からはい出ようと、のたうち始めた。

「ははっ!」
蝦蟇はその場で、平伏した。

姫は、裾から指先だけが覗いている手を、すうっと上げる。
「近こう、近こう寄れ。おまえの美しい様を、もっと近くで見せてたもれ。」
桜貝のような爪をした白い指が、ふわぁりふわぁり と薪を招いた。



岡部と薪は、身じろぎもせず立ち竦んでいた。
喰おうと迫る異形の者どもに囲われても、とても現実とは思えず、身を守ることすら思いつかない。
怯える、というよりまるで夢を見ているような心持で、ただ傍観していた。

姫が薪を、手招く。
ひらりひらりと動く姫の指先を、薪の目が追う...と。
いままで確かに瞳にあった意志の影が、傍観を選択した薪の意志の影が、すうっと消えた。
今、その瞳は中身が空っぽのガラス玉。そして、薪は姫の指に魅せられたかのように招かれるまま、ふらふらと歩きだす。

「ま、薪さん!」
薪が歩きだすとは思いもよらなかった岡部は、薪の腕を掴もうとした。
が一瞬遅く、岡部の手は空を切る。反射的に手は動いたものの、足は依然動こうとはしない。

手が空を掴んだまま、岡部は薪の行方を、ただ見るだけ。

(続)



オリジナリティないこと、白状します。
今回は、「陰陽師」シリーズ(夢枕 獏著)の世界をぱくってしまいました。
単に「ぞぶり」という擬音が使いたかっただけ...のような気がします。
すんません、すんません。

久しぶりに読み返したら、「陰陽師」に出てくる源博雅、まるで青木さん。
読書中の私の脳内では、源博雅さん、オールバックでメガネ掛けて出てきました。


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コメント

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【 ああ、そうだ! 】
『陰陽師』だ!
頭に浮かぶこのイメージは?『処天』??と考えながら読んでました。
と言っても、私は漫画で読んだんですが…源博雅が青木、ぷぷぷ、確かに(笑)
じゃあ、薪さんが…?真葛ちゃんは誰だろう…。
【 Re: ああ、そうだ! 】
いらっしゃいませ~ めぐみさん

陰陽師、浮かんでいただけましたか? うれしいなあ

> と言っても、私は漫画で読んだんですが…源博雅が青木、ぷぷぷ、確かに(笑)
> じゃあ、薪さんが…?真葛ちゃんは誰だろう…。

なんか真っすぐなところが、青木さんなんですよねぇ。
安倍晴明さんも、一筋縄ではいかない熱血漢のところ、なんとなく薪さんなんですよ。

真葛さん...晴明さんの宙、晴明さんの家となるもの..ん~、めぐみさんとこだったら、やはり青木さん...なのかなあ

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