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2次創作 「百鬼夜行 2」

えーと....私は何処へ、行きたいんでしょうか....

すんません、すんません。 もう読み返せないぐらい、恥ずかしいお話です。
腐とか痛いとか、じゃなくて、つまらなさと訳分からない、で。

(”薪さん飼う”っていう言葉に反応した方、まったく飼うとこ出てきません。
 どうぞ、読み飛ばしてください。)



「ここへ。」
姫の招く手がふわあり と翻ると、まるで糸でひかれているように、とん と薪がひとつ進む。
手招きを繰り返し、轅をくぐり目前に来た薪の顎を、指で挟み自分の方へ引き上げるように顔を向けさせる。

「ほう、まことに綺麗なる様を、しておるのう。そしてその眼(まなこ)。
 おまえの眼はまるで...まるで...あのお方のように美しい。
 もう忘れるほど昔の事なれど、忘れることもままならぬ、あのお方のよう...」
姫の目からちろり と小さな青い炎が上がる。

「あのお方はもうこのように、わらわを見つめてはくださらぬ。」
炎はごう と音を立てて大きくなり宙を舞い、鬼火となる。

「もう、わらわに囁いてはくださらぬっ。」
鬼火はいくつにも分かれ飛び交う。ぼうっぼうっ と炎を上げ踊り狂う。

「もう、わらわを愛しんではくださらぬっ。」
青白い鬼火に照らされた深紅の唇が、にいっと耳まで伸びる。
唇を突き破り、めりっ と牙が現れる。

「もう、わらわを抱いてはくださらぬっ。」
額をみしみしっ と突き破って生じたのは、ごつごつとした 角。

「ええい! 恋しや、憎らしや、愛おしや、恨みまするぞ。」
おうおう と空に向かい吼える。
かっ と開いた眼。まなじりがぶつりと裂け、幾つもの血筋を描いた。



姫の脳裏には、鬼と化した時の情景が蘇っていた。

情熱的に文を交わし、欠けることなく通ってくださったあのお方。
褥の上で共に見上げた月に、永久に変らぬ心を誓った夜。
それが何時しか足遠くなり、通い詰める先が新たに出来たと、風の便りを耳にした。

「ぬしさまの心が離れたとはいえ、わらわの心は変わることが出来ぬのじゃ。
 愛おしい、恋しい、おまえさま。
 この心の苦しさは、何処へも行きようがあるまいに。」

「もう通ってはくださらぬのか。会うてはくださらぬのか。
 心蕩かす言葉を、囁いてはくださらぬのか。」

「もう一度だけ、一度だけ会うてくだされ。
 お心を、取り戻して見せようぞ。わらわの思い、決して誰にも負けまいぞ。」


姫が身なりもかまわず、疾く走る。深夜の京を、共も連れず。
あのお方の新たな通い先を、ひた目指す。
呪文の様に、繰り返す。「恋しい、恋しい。会ひたい、会ひたい。」

着いた先で目にした、仲睦まじく寄り添う2人の姿。
姫の血が、一瞬で逆流し沸騰した。

「何故わらわを、お捨てになったのじゃ! わらわに囁いた同じ睦言を、その女子にも囁いておるのじゃな。
 口惜しい。口惜しい!」

地団太を踏む。大きく振る頭に、髪がざらんざらん と纏わりつく。
「ひっ」その恐ろしい姿に、女が息をのみ男に縋る。

男に縋る女を、睨む。
「おまえじゃな。わが恋しい方を、おまえが..おまえが..おまえのせいじゃな。」
「ひいー」


にいっと笑うと、恐怖で動けぬ女に近づく。
女の髪を掴んでぐいと引くと、露わになったその首に ぞぶり と噛みついた。
女の悲鳴が止み、ヒューヒューと通る風の音がする。それもすぐに、噴き出す血でごぼごぼと泡立つ音に変わった。
目の玉がくるりと返り、天を向く。
不規則に痙攣していた手足が、だらり と力無く垂れた。

ずぶり、ずぶり、こり、こり。
姫はそのまま女の首を噛み切ると、髪を持ちぶら下げて目の前にその顔を掲げる。
「憎し、憎し。この女。」

くちゅり と唇に歯をたてて、噛みとる。
「さてもこの唇か。わが恋しい方に、甘言を弄したるは。」

こりん と耳を噛みちぎる。
「さてもこの耳か。わが恋しい方の言葉に、聞き惚れたるは。」

ずずず と目の玉を啜る。
「さてもこの目か。わが恋しい方を、誘うたるは。」

そして、天を向いて、哄笑した。
「いざ、甘言を弄してみよ、聞き惚れよ、誘うてみよ。いざ、いざ。
 ひひ、ひーっひひひ、ひーっひひひひひ。」

一転、女の首を掻き抱く。
「わが恋しい方に会わざれば、このような目に会うことも無かろうに。
 無残な最期を遂げることなく、睦み子を産み育てることも出来たろうに。」


女の首を抱いたまま、男に近づく。動けぬ男の目の前で跪き、髪を掴んで女の首を目の前に差し出し、高笑う。
「ほうれ、ぬしさまの愛おしいお方じゃ。
 いざ、二心ないことを誓うてみよ。
 睦言を囁き、その腕に抱いてみよ。
 かーっかかか、かーっかかか、かーっかかかかか。」

ひとしきり笑い終えると、男のぶるぶると震える胸に、頬を寄せる。
「ぬしさま、なぜ心を移してしまわれた。
 わらわの身も心も、すべてぬしさまの物じゃのに。今だ、ぬしさまの物じゃのに。」
「もう、ぬしさまを思うのは、わらわのみ。
 いざ、愛してくださりませ。その腕に、抱いてくださりませ。」

「抱いてはくださらぬのか!」
震えるだけの男を諦め、姫はすっくと立ちあがる。
「愛してくださりませぬのか!」

「もうわらわへの、心無きことが分かっておるのに。
 それでもなお、ぬしさまを求めるこの身が、疎ましい。
 ぬしさまを求めるこの身が、口惜しい。
 ぬしさまを求めるこの身が、苦しゅうて。
 どうとも出来ぬ、この思い。」
おうおう と天を仰ぎ、血の涙を流す。

「すべては、この身から発したものばかり。
 人は、鬼にされるのではない。自ら、鬼になるのじゃ。」
「ええい! 恋しや、憎らしや、愛おしや、口惜しいや、恨みまする。」

天を仰ぐその姿に角が生え牙が伸び鬼にと化した姫は、現世(うつしよ)を出奔し常世を彷徨う身となった。

(続)




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コメント

【 こ、こわい・・・ 】
すぎさん、怖いです・・・姫様が恋敵を屠るところの描写が、ぞーっとしました・・・・。
こういう日本語特有の怖さってありますよね。ひらがなだから、余計こわいの(><)
さすがすぎさん、ドSですね(ちょっと違う)

薪さんと岡部さんは生きて帰れるんでしょうね?
すぎさんだったらどんなラストも行っちゃいそうで、コワイです・・・。
【 Re: こ、こわい・・・ 】
いらっしゃいませ~ しづさん

> こういう日本語特有の怖さってありますよね。ひらがなだから、余計こわいの(><)

しづさんはへんてこりんなお話でも、いつも的確に読み取ってくださいます。
ありがとうございます!

> 薪さんと岡部さんは生きて帰れるんでしょうね?
> すぎさんだったらどんなラストも行っちゃいそうで、コワイです・・・。

えーと、どうしましょう?
あ、もちろん生きては帰りますよ。帰りますけど...

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