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2次創作 「冷たい方程式 1」

えーと、前説が極端に長いです。
本文までなかなか到達しないですが、気の長い方 お付き合いください。

「方程式もの」というSFのジャンル?があります。
宇宙船が航行中、密航者を発見。
このままでは目的地の途中で燃料/空気が尽きるため、全員生きてはたどり着けない。
この状況で、さてどうするか? 

トム・ゴドウィンのSF短編『冷たい方程式』では、密航者の自らの意思での船外放出を解としました。
ここでは新たな解を求めるのではなく、この究極の状況下 私の妄想各自の行動を書いてみました。

宇宙空間で燃料を消費せずに交差する軌道の物体を拾い上げるのは不可能、とか 
母船が見当たらないほどの長距離をポットで移動は不可能、とか 
貨物捨てればいいじゃん、とか 
そもそも なんでそんなものに乗っているのか、とか 
細かいところ突っ込まないように。




【状況説明】

貨物宇宙船「秘密号」は、昨日 回転限界点を越えて航行中である。
もはや地球に引き返すことはできず、あとはひたすら目的地に向かうだけだ。
乗務員は船長たった一人。
毎日の決まりきったローテーションを繰り返すだけの退屈な航海のはずだった。
ある日、アンテナは緊急脱出ポットの救助ビーコン信号を拾った。
軌道計算してみると、少ない余裕分の燃料消費内で、このポットは拾える。
退屈な日常に飽き飽きしていた船長は、出来心からこのポットを拾ってみた。
回収後中をあけてみると、予想もしなかったことに人が乗っている。
その瞬間から、乗務員1名のみを前提とした「秘密号」は、冷たい方程式と化した。


青木船長の場合

「薪さん!」 青木は思わず叫び声を上げた。
かつて職場で上司と部下であった2人が、こんなところで会おうとは。
「青木! おまえ貨物船の船長になると言っていたな。ということは、ここは貨物船か?」
そうですけど。
「貨物船だったら、ギリギリの装備で航行するはず。お前、なんで僕を拾った?」
えーと、だって落し物は拾って持ち主にかえさないと。
「バカ! お前 【冷たい方程式】って知っているだろう? 今まさにその状況だ」
冷たい方程式? ああ、あの船乗りなら誰でも知っている。
え、ということは...俺か薪さんか、どちらかが船外へ出なければならない?

「青木。僕がエアロックに入ったらドアを閉めて、船外に放出しろ。
 どちらかが出なければ、2人共倒れになるぞ。
 お前の船なんだから、僕が出る」
薪さん、俺の顔をちゃんと見ながら、言ってください。目をそらさないで。
俺にそんなこと出来ると、本気で思っているんですか? 薪さんを殺すなんて。
今は俺がこの船の船長、責任者なんです。薪さんじゃないんですよ。
俺が何とかします。 何か方法があるはずです。
俺が薪さんを救います。救いたいんです。

「ほう? じゃお前、どうするんだ。
 このままだと2人とも死ぬぞ。
 僕のためにお前を犠牲にするなんて、僕には出来ない。
 だから、僕が出る」
俺にも薪さんを犠牲になんか、出来ません。
薪さんはいつも他人に気を使って、それも気を使っていることを悟られないようにしてますよね。
薪さんの感情は複雑で、単純でKYな俺にはそんな薪さんの気持ちが もうひとつ汲み取れません。
俺の世界は、すごく単純だから。
そんな俺が出来るのは、薪さんがどう受け取るか予測不可能であっても、自分の気持ちをそのままぶつけることだけ。
薪さんは押し付けがましく、迷惑だと感じているのは、さすがの俺でも なんとなく察してます。
けれど、俺に出来ることはこれだけだから。 俺の素直な気持ちを見てもらいたいんです。
今は薪さんを助けたい。とにかく、助けたい。
方法なんてこの気持ちがあれば、あとからついてくるはずだと、俺は信じてます。

えーと、えーと、俺も薪さんも2人とも助かる方法...あ、そうだ
薪さん、おれが医療機器プログラミング2級とってるの、知っていますよね。
乗員1名といえども有人の宇宙船、簡単な手術まで可能な医療機器はそろってます。
要は重量を1人分にすれば燃料の心配はなくなるんですよね。
生命維持に不必要な手足を2人分放棄してしまえば、なんとか1人分重量削減になるのでは?
よし、思い立ったが吉日。すぐに俺と薪さんの四肢切断手術をプログラミングして....と

手術はすぐに終わり、切断部位も船外に廃棄した。
これで目的地まで到着できるはずだった、が...
目的地を目前に予定の減速を始めた宇宙船だが、速度が落ちるのが遅い。
もはや燃料不足で、これ以上の減速が出来ない。
このままでは、目的地で速度0にならずにフライ・バイしてしまう。

「青木、おまえ...ちゃんと廃棄重量計算して、燃料消費計画を立てたのか?」
薪さん、思い立った時が実行時ですよ。あれこれ考えても、俺はわからなくなっちゃうから。
まあ、こんな感じかな ぐらいの感覚だけで、結果の精密な予測なんて 俺には出来ません。
俺の薪さんへの熱い思いがあれば、結果は何とかなるんです。
「おまえ....。 あいかわらずだな。その性格」

2人はそろって、宇宙の果てを目指して飛んでいった。




青木さん、熱血だけじゃなんともならないことも、あるんです。
太平洋側で200海里以上先の公海へは、東京から片道1500kmはありますよ。
往復飛べるような、そんな航続距離が長いヘリは警察はもちろん、自衛隊でも海上保安庁でも持ってません。

なんだか青木さんがバカみたいになっちゃって、青木ファンの方すみません。
無鉄砲な行動派って、薪さんに無い要素だからこそ、薪さんも惹かれるんだと思います。
ね、青木さん。

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コメント

【 よく読むとグロい… 】
すぎやまださん、 こんにちは。
SS拝見しました。すぎさん十八番のSFと人物考察が合わさって、とても興味深かったです。

しかし……不必要な手足って……
考えるとコワイ気がするのですけど……

こちらはもちろん続いて、第九メンバー船長たちが次々登場するんですよね?!

楽しみだな~~~
お待ちしています。

それから……
あの、よかったら、わたくしのことはみーちゃんとお呼びください。
あと、例のアレ、お心使いありがとうございました。そして、いつもありがとうございます。
すぎさん、最速だと思いました。上げてすぐでしたよ?

余計なことまで書いてすみませんでした。

ありがとうございました。
【 Re: よく読むとグロい… 】
(では、お言葉に甘えて) みーちゃん、いらしゃーい。

> しかし……不必要な手足って……

実は私も、だるま状態の青木さんと薪さんを描写するのが、気持ち悪くて。
結局描写はパスしました。

> こちらはもちろん続いて、第九メンバー船長たちが次々登場するんですよね?!

いや、次々とじゃなくて。鈴木さんと岡部さんだけです。 (予定では)
ご期待にお答えできず、申し訳ない。

> あと、例のアレ、お心使いありがとうございました。そして、いつもありがとうございます。

いえいえ。 (と、こんなところでバラしていいんですか)
みーちゃんストーカ 第一号を自負しております。
【 イタイです 】
だるまさん・・夢に出てきそうです・・。
こわいです、コワイです。
なんか文章はあっさりしてるのに、やってることはスゴイです。ああ、でも、この方法しかないか。

ふたりとも助かる方法を考えるところが、青木ですよね。
こういうのって、すぐに自己犠牲を思いつくんですけど、結局、それで助かったほうは一生そのことを背負っていかなくちゃいけない。青木はそこを解ってるんですよね。
なので、青木ファン、どんと来い!だと思います。

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