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2次創作 「癒し 3」

「清らかな薪さんじゃなきゃダメ~」という方は、ここでUターンしてくださいね。

続き書けなければ、あとで取り下げるかもしれません。 ← しつこい! でも本当


玄関の鍵を回した薪は、岡部を帰す言葉を発しようと振り返る。
岡部はそれを無視して扉を開けると、薪を押し込んで自分も入る。
靴を脱ぐのももどかしく、薪の手首をつかんでリビングまで引きずると、
ソファーに投げ出すように座らせる。
岡部自身はうろうろと行ったり来たり、動物園の熊のようだ。

「何してたんですか」

「おまえには、関係ないことだ」

「関係ない? あんたねぇ。警視正があんなところで男拾って、関係ないって...
 ばかいうんじゃない!」
男を拾う、改めて言葉で聞いて 薪はちょっとひるんだ。

「いつもなんですか」

「....」

「薪さん!」

「....」

「あんな事、上部に知れたらどんな事になるか、薪さんなら分かるでしょうに。
 なのに、どうして....」

このままでは、夜通し岡部に詰問される。
粘り強さに定評がある岡部だし、薪が何か言うまでは、てこでも動かないに違いない。
それに、小手先での言い訳では、納得しないだろう。
薪は決心したように小さくため息をつくと、岡部を見上げた。

「僕が自分のカウンセラーだったらこう言うだろう。

 これは自傷行為である。
 自分で自分を傷つけることで、一時的に精神的な苦痛を緩和することが出来る。
 僕の場合の精神的苦痛とは 無力な自分に対する怒りと、
 遣り残してしまった事があるのでは という不安と後悔だろう。
 事件が今回のような結末で終わると、とても苦しい。
 苦しくて、苦しくて、これを何とかしないと、暗闇に取り残されて、
 明日という日すら来ない気がしてくる。
 
 このような苦痛を解消するには、他にいろいろなやり方があるんだろうが、
 僕の場合自傷まで必要とするのは、完璧主義という性格によるところが大きい。
 それに、僕は意地悪だと言われるが、根本では攻撃衝動を自分に向ける傾向があること、
 自分に批判的であり自己肯定度が低い、という点も関係するだろう。

 そしてなぜ自傷の手段として、おまえの言う”男を拾う”を選択したか。
 まず第一に、それが僕にって、とても屈辱的な事だからだ。
 第二に、他の方法、たとえば薬物過剰摂取、リストカット よりは、身体的に安全である事。
 第三に、この方法ならば、苦痛は相手が与えてくれる。
 自分だと手加減してしまうかもしれないが、その心配はないからな。
 
 ここまで分かっていてなぜ、と思うかもしれないが、それが限界なんだ。
 理解していることと、納得することは違う。
 問題がある行為だとしても、本人にはそうする必然性がある。
 問題がある行為をやめるためには、代償となる何かを見つける必要がある。
 その何かは、自分で見つけなければならない。
 それが見つからない限りは、行動を改めてもどこかで必ずしわ寄せが来る。
 そのしわ寄せは、より深刻な問題を引き起こすかもしれない。

 岡部、これがおまえの ”どうして” への答えだ。
 おまえには、理解しがたいとは思うが。
 今の僕が落ち着つくためには、この方法しかないんだ」

岡部は、思わずソファにへたり込む。
いい意味の単純を身上とする岡部にとって、薪の言葉は理解しがたく、想像をはるかに超えていた。

「それと」
薪は握り締めた自分の手へ視線を落として、付け加える。
「いつもじゃない。
 今回の事件のように、自分の無力さを強く実感したときだけだ。
 多分、年に数回も無い」

薪が口を閉じると、部屋はしん と静まり返る。
岡部は返すべき言葉が、見つからない。

「薪さん....。すみませんが、自分には理解できません。
 けれど、このままではいけない事ぐらいは、分かります。
 たとえば、カウンセリングはどうですか」

「いや、自分の心を引っ掻き回される気がして、カウンセリングは気が乗らない。
 さっき言った事を他人から聞かされるだけだし」

「でも....」

薪は立ち上がり、最初の勢いはどこへやら 今やへたり込んでいる岡部の前へ行く。
ひざまづくと、岡部の膝に手をついて顔を覗き込む。

「僕自身どうにもならないとき、一晩だけだ。
 性感染症にも気をつけている。
 頻度も低いから、噂にもなるまい。
 細心の注意は払っているつもりだ。
 
 これで、僕は日常生活を保ってきた。
 岡部に分かってくれ、とは言わない。
 しかし、見逃してくれ」

そういわれても....
岡部は、上に報告する決意も、見て見ぬふりをする決意も、どちらも選べない。
ただ突然の薪の告白に、頭の中がぐるぐるするだけだった。

(続)



書いている本人も落ち着いて読み返せないので、誤字脱字ご容赦を。

きっとこのブログの屋根?の上で、糸のような三日月が掛かる夜、
2匹の真っ黒い猫が噂してるんですよ。
「ここの主人は病気です」



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コメント

【 「悪魔」薪さん 】
メロディ2月号にあった言葉(101~102ページ)
【MRI捜査は確かに故人のプライバシーも倫理も踏みにじる「悪魔」の所業のような捜査方法である】
その「悪魔」の所業を行う部署の「長」ですからね。
「悪魔」の中の「悪魔」です。
でも、並の人間よりも人間らしい感情を持つ彼だからこそ、「悪魔」になりきれない、そんな自分と心の中でたたかって、打ちひしがれているようなイメージです。
私の中では。

あ!でもホントに薪さんのおしりに悪魔のシッポがついてるのかどうか確認したことがあるのは第九の中では青木君だけですからね~~~!
青木君の前では「天使」ですからね~~~!

そこんとこよろしく!

(また、本筋に関係ないことを・・・。)

わかりますよ・・・。
すぎやまださんが、薪さんのことを愛してくださってるのが!
はやく・・・助けてあげてください・・・。

お邪魔いたしました!




【 おおー 】
薪さん、とっても冷静で分かってる!
さすが薪さん。
岡部さん、良くないのは分かってる、さて、どうする。

「では、自分が薪さんの相手をします」

…え?何か聞こえた?
【 すみません 】
大きな声じゃ言えませんが、
めぐみさんに一票です・・・・・世界中にバレる前に退散退散・・・・・
【 そこまで言うなら! 】
そこまでしなくてもおさまりがつきそうなもんだとおもうが・・・。 

岡部さんの台詞追加していいですか?
「あんたねっ。年に数回もっっっって、年に数回もあったら、びっくりたまげますよ!」

すぎやまださん、素敵!
【  】
■こんにちわ、みひろさん
返事おそくなってすみませんね。

> その「悪魔」の所業を行う部署の「長」ですからね。
> 「悪魔」の中の「悪魔」です。

おお、「悪魔」というのはそういう意味だったんですね。
「あんなこと」や「こんなこと」じゃなくて。 (腐りすぎですね)

> すぎやまださんが、薪さんのことを愛してくださってるのが!
> はやく・・・助けてあげてください・・・。

愛してはいるんですが、薪さんには迷惑な愛なような...
助けてあげられるかなぁ。

■こんにちわ、めぐみさん

>「では、自分が薪さんの相手をします」

う、鋭い。そうしていただきたいのですが...苦戦中です。
書けるかなあ。


■こんにちわ、コハルビヨリさん

え? 判りました? 私の野望が。


■こんにちわ、第九の部下Y さん

>岡部さんの台詞追加していいですか?

今度岡部さんに会ったら、伝えておきますね。追加してね、って。

>すぎやまださん、素敵!

すす すてきィ? それは続きを読んだら、撤回したくなると思いますよ。
でも、書けるかしら。



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