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2次創作 「宇野 3」

スランプで長らく御無沙汰してしましました。
しばらく妄想から離れていたら...妄想の仕方、忘れてしまいました。
リハビリ第一号は、読みにくいと思います。読むの辛かったら、どうぞ閉じてくださいね。




事件発生の急報を聞き、薪は岡部を引き連れて犯行現場に急行した。

そこではすでに鑑識課員が現場を舐めるように、物証の探索を始めていた。
周りでは所轄や捜査第一課の刑事が入り混じり、慌ただしく初動捜査を開始している。
薪は情報収集を岡部にまかせ、自分は現場の印象を丹念に確認するのを常としていた。
鑑識の邪魔にならぬ様気をつけながら、現場とその回りを歩く。
犯行現場が写真や図面、報告書の文字の羅列になる時抜け落ちる、何かがある。
その何かを拾うように、自分の目で確かめる。

ふ と視線を感じて顔を上げると、少し向こうで鑑識のジャンパーを着た二人が、
こちらを見て話し込んでいた。
視線が合うと、二人はあわてて視線を反らしたが、何やら会話は続けている。
つい習慣で、薪は2人の唇を読んでしまった。

”おい、あれが第九の薪警視正だろう? へえー。噂どおりチビだしえらい綺麗な顔してるなぁ。
 あれじゃ、女に間違うっていう評判も本当だ。
 そうそう、岡部警部だったっけ? 花の捜査第一課で2階級特進の出世街道捨ててまで、
 わざわざ第九に移ったの。
 俺にはわからないねぇ。刑事なら皆憧れる捜査第一課の係長より、
 親兄弟にも異動を言えない第九が良いなんて。"
”俺なら絶対やだぜ。薄暗い部屋で死人の脳みて捜査するなんて、ぞっとしないのかねえ。 
 おーやだやだ。
 俺は鑑識だけれど、こうして現場に出てこそ、世の中の役に立っている気がするよ。”
”だろう? ははーん、案外岡部警部の目的は、薪警視正かもしれないぜ。
 あの顔で甘い言葉でも囁かれてみろ。俺でもふらふら..と第九に行くかも。
 もしかすると...第九って薪警視正にとっちゃ、男ハーレム?
 うひょ~。”
”そうそう、薪警視正は一度第九の部下を全員殺した、って聞いたぞ。”
”いや、射殺したのは一人で、あとは自殺らしい”
”いっしょじゃん。結局捜査は失敗し、捜査起因の自殺を止められずに全員死んだんだろ? 
 のうのうと自分一人だけ生き残ってさ。
 室長として無能なのに、また第九室長をやっているのか。
 第九って、よっぽど無神経な奴ばっかりらしいな。
 俺だったら、怖くてあんな室長の部下になんてなりたくないよ。
 また全員死亡、なんて事なければいいけどね。”

鑑識課員の一人が薪の視線に気がつき、あわてて2人に声をかける。

”おい、薪警視正が見てるぞ。”
”あ、先輩、大丈夫ですよ。聞こえない様に、注意してますから。”
”何言ってる、第九だぞ! 唇読めるんだぞ。”
”あ!”

2人とも思わず口元を隠して薪を見る。もろに視線が合うと、慌てて明後日の方を向いた。
薪は表情も変えずに2人から目を逸らすと、第九に戻るため岡部を探す。

薪にとってこんな噂されることは慣れていた。いや、慣れていたはずであった。
小さな頃から、自分が噂されている気配を感じ取ってしまう事が、多かった。
それが苦痛でいつしか、噂に気づいていないかのように、自分で自分を騙すすべを覚えた。

第九で読唇術を身につけると、無意識に人の顔から視線を外すようにもなった。
聞きたくないことは、聞かないために。知らなくていい事は、知らぬままで居ることが出来るように。
自分の心に、無用な波を立てぬよう。

それが今日は、犯行現場で通常立てないアンテナを立てていたため、思わず聞いてしまった噂話。
所詮噂と割り切っているはずなのに、こんなに真正面から突き付けられると、薪の心は重くなる。
岡部が運転する車の中で、薪は重い心を無視しようと務める。
たかが噂だ。そんなことより、捜査に集中するんだ。

第九に戻り脳を見る準備を急いでいると、第九の出番は無くなったと1課から連絡が来た。
手掛かりがなく難航が予想された事件だったが、初動捜査で以外な目撃者が見つかった。
そこから、犯人の確定と物証を得ることもできたから、脳を見るのは不要になった。


思わぬ空き時間ができ、薪はたまには定時で帰れと皆に指示を出す。
定時後室長室で一人になると、重い心が蘇り ふっと溜息が出た。
自分の事はともかくとして、第九までそんな目で見られていたとは。
それよりも、たかが噂に傷つく自分が疎ましい。
薪は肘をつき組んだ手に額をのせて、目を瞑る。

その時、ノックが響く。「室長、宇野です。」
皆帰ったと思ったのに、宇野が残っていたようだ。
「入れ。」

薪は一呼吸おいて面倒くさそうに顔を上げ、何か用かと目で問いかける。
宇野はそんな薪の様子に、後ろ手でドアを閉め、質問に質問で応答する。
「室長、何かあったんですか?」

薪は一瞬迷った風だったが、ぽつり ぽつりと言葉をこぼした。
「ぼくや第九について、いやな噂を耳にしてしまった。
 もうこんなことは慣れているはずなのに、今日は動揺して落ち着かない。」
気がつかぬふりをして、やり過ごすことがうまくなったと思っていたのに。
噂の内容はどうでもいい。まあいろいろ言われることに、多少事実も混じっている。それよりも...
「噂を聞き流せない自分の弱さが...いやなんだ。」
薪は椅子の背にもたれて目を閉る。

宇野は机を回り込むと、薪が座る椅子の肘かけを掴み、自分と対峙するように回転させる。
そして両手を肘かけに置くと、自分の顔を薪の鼻先まで近付けた。
驚いて大きく開いた薪の瞳を、視線でからめ捕って間近に見据える。

「聞き流せないのが、室長なんですよ。それを、弱いと一言で否定しないでください。
 室長はなんでも一端受け止めて、自分に置き換えて共感することで理解しようと勤めるから。
 それが室長のやり方ならば、それを自分で否定しないで。」

宇野の目と口元が、緩む。

「室長だって、弱いところはあるんです。
 たかが噂に、動揺してもいいんですよ。
 ただ落ち着かない心が、辛いなら。」

宇野は左手を背中に回し薪を引き寄せると、右手で自分の肩口に頭を導き、
肩と頬で頭を挟むように抱く。
薪はすべてを任すように目を閉じて、力を抜く。
右手で髪を梳きながら、宇野はゆっくり囁いた。

「室長が落ち着くまで、こうしていましょう。」

(完)



すいません、すいません、すいません。
もっと読みやすく 思ったのですが、考えれば考えるほど、手を入れれば入れるほど、ドツボにはまっていって。
リハビリ1号は、ぬか漬け最初の捨て漬け程度に思っていただければ、ありがたいです。
(でも、だんだん美味しくなるかどうかは、あまり期待できない...かな)

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コメント

【 何で宇野なのかと思ったら… 】
宇野ーっ!
美味しいところ持って行きすぎでは(笑)
この2人、心の深いところで繋がってませんか?(^^;

鑑識2人の会話が辛かったです…。
岡部さん、殴って良いですよ。
【 Re: 何で宇野なのかと思ったら… 】
めぐみさん、いらっしゃ~い

> 宇野ーっ!
> 美味しいところ持って行きすぎでは(笑)
> この2人、心の深いところで繋がってませんか?(^^;

薪さん、なぜか宇野さんには素直なんですよ。
それはめぐみさんがおっしゃるように、心の深いところで繋がってるから かもしれませんね。

> 鑑識2人の会話が辛かったです…。
> 岡部さん、殴って良いですよ。

岡部さんが聞いていたら、それはそれはもう恐ろしいことになったと思いますよ。
人の噂話なんて、本人は気がつかない方が幸せなんでしょうね。

またお越しくださいね~

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